通信制高校へ進んだものの、「自由な時間はあるのに勉強を始められない」「昼夜逆転してゲームばかりしてしまう」と悩む人は少なくありません。保護者から見れば、本人に大学進学の希望があるのに行動が伴わず、不安になる状態です。
結論から言えば、通信制高校生が勉強できない原因を、やる気や根性だけで説明しないことが重要です。登校時間や授業開始の合図が少ない環境では、勉強を始める場所・時刻・最初の課題を自分で決める必要があります。足りないのは意志の強さではなく、「始めて、続けて、遅れを修正する仕組み」であることが多いからです。
私は通信制高校に入った当初、ゲーム中心で昼夜逆転し、まともに勉強できませんでした。文法問題集も3割ほどしか解けず、大学受験との距離に絶望したところから、勉強する環境と方法を変え、国立大学医学部医学科へ進みました。この記事では、その経験をもとに、大学受験へ向けて勉強を再開する具体的な順番を説明します。
通信制高校から大学受験をする制度・科目・入試方式の全体像は、先に通信制高校から大学受験は不利?国立大学医学部に合格した当事者が解説をご覧ください。
通信制高校生が勉強できない5つの原因
1.勉強を始める合図がない
全日制高校では、登校、時間割、宿題、定期試験が勉強の開始を半ば自動的に決めます。通信制高校は時間の自由度が高い一方、「今日は何時から、どこで、何をするか」を決めないまま一日が始まりやすくなります。自由時間が長いことと、勉強時間が長いことは同じではありません。
2.学校の課題と大学受験勉強を分けていない
レポートや単位認定の勉強を終えても、大学入試に必要な英単語、英文法、数学の典型問題、理科の演習まで終わったことにはなりません。「学校の課題はできているのに模試では解けない」という場合、能力不足ではなく、取り組んでいる課題と入試問題の間にずれがあります。
3.最初の教材が現在の学力に合っていない
学年に合わせて高校レベルの問題集を選んでも、中学範囲や高校基礎に抜けがあれば進みません。私も最初に買った文法問題集は3割ほどしか解けませんでした。教材を終える根性を求める前に、どの単元まで戻れば自力で解けるかを確認する必要があります。
4.インプットだけで勉強した気になる
解説動画を見る、教科書を読む、参考書に線を引くことは必要です。しかし、私自身が失敗したのはインプット中心の勉強でした。特に数学や理科は、自力で問題を解き、間違いの原因を直さなければ得点につながりません。「何時間見たか」ではなく、「何も見ずに何問解けたか」で進捗を測ります。
5.遅れた計画を放置している
最初から完璧な計画を作ることはできません。問題は、予定どおり進まなかったときに、翌週も同じ計画を使い続けることです。勉強量が多すぎたのか、教材が難しかったのか、生活の中に開始時刻がなかったのかを週単位で見直します。
昼夜逆転・ゲーム中心の生活から勉強を再開した方法
手順1.「早起き」より先に勉強を始める時刻を決める
生活を一度に理想形へ戻そうとすると、起床に失敗しただけでその日の勉強まで中止しがちです。まずは現在の生活の中で、毎日再現できる開始時刻を一つ決めます。開始時刻になったら考えずに取り組めるよう、前日に最初の教材とページまで指定します。
手順2.家で始められないなら、先に外へ出る
私にとって転機になったのは、家でやる気が出るのを待たず、外へ出て勉強するようにしたことでした。図書館、自習室、学校など、着いたら勉強以外の選択肢が少ない場所を使います。「勉強するか」を毎回判断するのではなく、決まった時刻に勉強場所へ移動することだけを行動目標にします。
手順3.最初の一週間は量より再現性を優先する
いきなり一日8時間を目標にして二日で止まるより、毎日同じ時刻に同じ場所で一つの課題を終える方が立て直しにつながります。最初は、英単語の確認、文法問題、数学の例題など、開始と終了が明確な単位に分けます。続いた量を基準に翌週の計画を増やします。
手順4.教材名ではなく、解ける問題で現在地を測る
「英語は苦手」「数学は中学からわからない」だけでは、始める位置を決められません。短い問題を実際に解き、英語なら単語・文法・英文解釈、数学なら計算・方程式・関数などに分けて確認します。正解したかだけでなく、答えを選んだ理由を説明できるかも見ます。
手順5.インプットと演習を必ず一組にする
解説を読んだ直後に類題を解き、翌日また何も見ずに解きます。数学や理科は、公式を覚えたことではなく、問題を見て使う公式と手順を選べたことを完了基準にします。できなかった問題は、知識不足、方針不足、計算ミスに分けると、次に直す内容が明確になります。
手順6.週に一度だけ計画と実績を比較する
毎日計画を作り直すと、計画を立てること自体が勉強の代わりになります。日々は実行に集中し、週末に予定と実績を比較します。終わらなかった場合は、翌週へそのまま積み上げず、優先順位を下げる課題や教材の難易度を調整します。
大学受験の勉強は何から始めるべきか
最初から全科目を均等に進める必要はありません。志望校の受験科目を確認したうえで、積み上げに時間がかかる英語と数学の基礎から着手します。
| 科目 | 最初に確認すること | 開始例 |
|---|---|---|
| 英語 | 中学文法・基本単語・文構造 | 基礎文法問題と単語帳の確認 |
| 数学 | 計算・方程式・関数・教科書例題 | 解けない単元まで戻り、例題と類題を一組で解く |
| 国語 | 現代文・古文・漢文のどこで失点するか | 短い問題で分野別に診断する |
| 理科・地歴公民 | 志望校で必要な科目と配点 | 教科書理解と基本問題を対応させる |
私が実際に使った教材には、ターゲット1400・1900、Next Stage、青チャート、重要問題集、教科書などがあります。ただし、同じ教材を使えば同じ結果になるわけではありません。現在地と志望校によって、使う範囲・順番・期限を決めることが先です。
保護者ができること・避けたいこと
- 「勉強した?」だけを繰り返さない:始められなかった原因と、次に始める課題を一緒に確認します。
- 一日の感情で評価しない:週単位の開始日数、問題数、正答状況を見ます。
- 教材を次々に増やさない:今の教材で解けない理由を確認してから変更します。
- 役割を決める:本人が実行し、保護者は環境を整え、必要なら指導者が計画と修正を担当します。
昼夜逆転の背景に体調不良、睡眠上の問題、強い不安などがある場合は、根性で直そうとせず、学校や医療機関など適切な相談先を利用してください。この記事は大学受験勉強の進め方を扱うもので、症状の診断や治療を行うものではありません。
外部の支援を検討した方がよい状態
- 志望校に必要な科目・配点・教材の順番を決められない
- 計画は立てるが、何週間も勉強を開始できない
- 教材が難しすぎるか簡単すぎるか判断できない
- 国公立大学や医学部志望で、複数科目の進度管理が必要
- 本人と保護者だけで確認すると、毎回口論になる
必要なのは、授業を増やすこととは限りません。知識不足なら解説、計画不足なら志望校からの逆算、実行不足なら日々の確認というように、止まっている場所へ支援を合わせます。
塾が必要な状態と独学で進めやすい状態の違いは、通信制高校の大学受験に塾は必要?国立医学部合格者が選び方を解説で整理しています。
よくある質問
昼夜逆転を直してから勉強を始めるべきですか?
生活を完全に整えるまで勉強を延期する必要はありません。現在の生活の中で再現できる開始時刻と場所を一つ決め、勉強の再開と生活の調整を並行します。体調や睡眠の問題がある場合は専門家へ相談してください。
通信制高校のレポートだけで大学受験できますか?
一般選抜で必要な演習量までレポートだけで補えるとは限りません。志望校の科目と過去問を確認し、英単語、文法、数学の典型問題など、入試用の学習計画を別に作ります。
勉強時間は何時間必要ですか?
学年だけで一律に決められません。志望校との差、残り期間、科目数で変わります。まず一週間の実績を記録し、継続できる量から増やしてください。時間だけでなく、解いた問題と正答状況も記録します。
通信制高校から国公立大学を目指せますか?
目指せます。ただし、共通テストと二次試験に必要な複数科目を、期限から逆算して進める必要があります。学校の課題とは別に、科目別の進度を管理してください。
勉強が止まっている原因を整理したい方へ
Reviveでは、通信制高校から国立大学医学部へ進学した代表の経験をもとに、現在の学力、志望校、使っている教材、一週間の生活と勉強状況から、知識・計画・実行のどこで止まっているかを整理します。
代表の経歴と確認済みの受験実績は、代表プロフィールでご覧いただけます。


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